論文式試験がゴールではない
8月に公認会計士の論文式試験が終わり、9月は休む間もなく就職活動のピークを迎えている方も多いと思います。
多くの方はご存じと思いますが、論文式試験を合格しただけでは会計士のバッジはもらえません。
正式に公認会計士を名乗るためには、2年間の実務経験と3年間の実務補習所の通所ののち、3次試験と呼ばれる修了考査に合格する必要があります。説明は省きますが、要件を満たすことで通所期間の短縮なども認められるようです。
今回は、論文式合格者が通うことになる公認会計士協会の実務補習所についてザックリ紹介したいと思います。
実務補習所とは(J1を修了した感想)
私は令和元年度試験の合格でしたので、9月現在で実務補習所J1(いわゆる一年生)を修了したところです。
以下、一年間実務補習所に通った経験をお話しします。
ゼミナール
実務補習所では20名程度のクラスに分かれて活動します。
最近は補習所もリモート形式が多くなりクラス単位での活動も少なくなったようですが、ゼミナールはZoomを用いたディスカッション形式で開催されます。
予め与えられた課題に対して、グループ討議をして発表→講師からのフィードバックという流れで進みます。私のクラスは、肩ひじ張らずにリラックスした雰囲気でしたので、時間こそ拘束されますが比較的楽しんで取り組めたように思います。
e-ラーニング
コロナ禍ということもあり、インプット系の講座はほぼe-ラーニングに集約されていました。
一講座3時間程度の講座を聴講した後に、確認テストに合格すると単位がもらえます。確認テストは講義内容から4択で5問出題され、4問以上の正当で合格となります。ちなみに、テキストを見ながら回答することが可能です。
真面目に受講しているかどうかなど、個人の取り組み姿勢にはかなりばらつきがあるみたいです。
倍速再生ができない、スマホでの受講ができないなどの制約が多く、受講生からの要望も出ているようですが改善はまだ先のお話になりそうな雰囲気でした。
考査
考査とは、いわゆる学校の中間テストのようなものです。
1~2カ月ほど前に試験範囲が公表され、講義やテキスト、過去問などを用いて準備をします。過去問がないと点数をとるのが難しいので、同じクラスの同級生や監査法人の先輩から必ず入手するようにしましょう。
私たちの世代はコロナ騒ぎでJ1通所期間が例年の半分しかありませんでしたので、運営委員が監査6回+税務1回の考査を1カ月で強行するという荒業をやってのけました。後述の課題研究の提出期限も同時に迫っていましたので、この点は苦労された方が多かったように思います。
考査は40点が足切りラインですが、考査全体を通じては平均60点を獲得することが必要です。点数が足りなければ別途料金を支払って追試を受けなければなりませんから、できれば一度で切り抜けたいところです。
課題研究
課題研究は大学の論文のようなもので、J1で計3回の提出が求められます。
この課題研究も点数がつけられ、考査と同じく40点が足切りライン、課題研究を通じて平均60点を取らなければなりません。
これは噂ですが、クラスの担当講師によって採点に甘辛があるとか…
しれっと提出期限が迫っていたり、形式面での原点が結構あったりと注意点がいろいろありますので、ガイダンスに準拠してしっかりと準備しておくと良いでしょう。
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