公認会計士試験合格までに必要な学習時間
論文式試験合格までに必要な学習時間
高難易度資格として知られる公認会計士試験ですが、具体的にどの程度の勉強が必要になるのでしょうか?
大手予備校のTACによると、公認会計士試験の勉強時間の目安は3,500時間です。短期合格者でも、最低2,500時間が必要とされています。
法律系の最高峰試験である司法試験合格に3,000~8,000時間の勉強時間が必要なことを考えると、やはり公認会計士試験の合格ハードルはそれなりに高いといえるでしょう。
勉強時間なんてどう測ったの?という疑問もわきますが、実際の受験経験上この数字に大きな間違いはないように思います。
私は受験生時代にカレンダーアプリで勉強時間を集計しており、論文式試験合格までの累積勉強時間がおよそ3,500時間であったためです。
なお、これらの勉強時間は公認会計士試験を受ける前段階の日商簿記(3級~1級)の学習時間を含んでいると思われます。受験生の多くが大学生であり、そのほとんどが日商簿記3級の学習から始めるためです。
もちろん3,000時間以内で合格できる人もいれば、5,000時間かかっても合格できない人もいます。試験の点数は勉強量だけでは決まりませんので、あくまで一つのベンチマークとして捉えるべきでしょう。
1日2~3時間 甘く見てはけない理由
合格までの勉強時間の目安がわかったところで、具体的にどのくらい勉強に打ち込めばよいのでしょうか?
3,500時間の勉強時間を単純に4年間でこなそうとすると、一日当たりの勉強時間はおよそ2.4時間となります。仮に3年間での合格を目指すのであれば、一日当たりの勉強時間は3.2時間です。
「あ、意外となんとかなりそうかも…」と思いましたよね?
残念ながら、そううまく計算通りにいかないものです。
我々は社会人ですから、残業でアフターファイブがつぶれることもありますし、会社の行事や取引先とのゴルフで休日の学習時間が取れないこともあります。たまには会社の同僚と飲みに行くことも必要でしょう。
私の受験時代の経験からも、週7日間を勉強に充てることは現実的ではありません。
実際のところ勉強に充てられるのは、週に5日くらいで少なめに見積った方が良いでしょう。とすると、4年間で合格するために必要な一日当たりの勉強時間はおよそ3.3時間です。
私の場合、勉強できる日がある程度限られていたこともあり、一週間の目標勉強時間を80時間に設定していました。
平日12時間(3時間×4日)、休日のどちらかに8時間(8時間×1日)のイメージです。それでも繁忙期や会社指定の資格試験を受験する時期は、どうしても勉強量は少なくなってしまいました。
上記の例はあくまで私の経験則ですので、より勉強時間が取れそうな方は短期合格を目指してもよいかもしれません。皆さんも自分のライフスタイルに合わせて、現実的なプランを検討してみてください。
勉強に専念するのであれば定時ダッシュや休日の予定を断ることもできるでしょう。しかし、あくまで仕事と試験勉強を両立させることを目標としているならば、仕事に支障をきたすのはナンセンスです。行き過ぎた態度は「試験勉強にうつつを抜かして仕事に身が入っていない」という社内評価につながりかねませんし、キャリアアップのために資格取得を目指す本質から外れてしまいます。
資格勉強が足かせとなる本末転倒な状況にならないよう注意してくださいね。
社会人受験生こそ学習時間を意識するべき理由
勉強時間が精神的な支えとなる
社会人受験生は孤独です。
基本的に平日の講義に出られませんし、授業や答練は自分でスケジュールを組み立ててこなしていくことになります。自宅や予備校自習室での学習となるため、予備校に友達ができることも学生ほど多くありません。
あまり話題になりませんが、この独特の状況は公認会計士の間違いなく社会人受験生の合格率を引き下げている大きな要因の一つです。ひとり黙々と勉強を続けるということは想像以上に忍耐力を必要とします。大学受験で高校や予備校の同級生と切磋琢磨していたころの環境とは精神状態が根本的に異なります。
周囲の受験生と自信を比較しにくい環境では、自分が合格に近づいているか不安になる瞬間が必ず訪れます。
そのとき不安を解消してくれる特効薬となり得るのが、絶対的な勉強時間です。
累積勉強時間が2,000時間を突破すれば、「合格者が3,500時間の勉強時間だから、自分は今折り返し地点にいるな」など、勉強時間は自身の学習進捗のベンチマークとなります。学習進捗度を客観的に測れることは、安心して勉強を続けるための精神的な支えに繋がります。
そのため、受験生の皆さんには勉強時間を記録することを強くおすすめします。
私はスマホのカレンダーアプリに毎日勉強時間を記録していましたが、ツールは自分にあったものなら何でも構いません。最近では学習記録管理のためのアプリもたくさんあるようです。
500時間、1,000時間、2,000時間と勉強時間が積み重なっていく様子を見ていくことは意外と楽しいものです。日々の勉強に少しでも前向きに取り組むため、ぜひ試してみてください。
メリハリのついた勉強ができる
勉強時間を決めると学習能率が下がるといわれることがあります。決められた時間勉強することに執着するあまり中身が伴わないという指摘です。
これについては全く異論はありません。内容が伴わない勉強の効果が高いはずがありません。
しかしながら、公認会計士試験においては時間を決めて勉強することに重要なメリットがあります。
一つは、学習進捗のバロメーターとしてモチベーションの維持に役立つという点で、これは前述したとおりです。
もう一つは、メリハリの利いた学習が可能になるという点です。
合格まで4年間、3,500時間、週に20時間という細かい目標を設定することで、「その勉強時間内で資格をものにしなければならない」という意識が生まれます。仮に「合格するまで勉強する」という目標設定をしてしまえば、5,000時間…10,000時間…と合格までの期間を間延びさせてしまうおそれがあります。
このように、目標勉強時間はある種の制限時間としての意味を持つようになります。
当然、単なる時間つぶしとならないよう工夫は必要となります。私も「スマホを触らない」「休憩時間は勉強時間に含めない」など、いくつかの工夫をしていました。
適度に自分を追い込むことで、効率的な学習を意識するようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
公認会計士試験は非常に長い機関の受験勉強を必要としており、モチベーションを維持するためには計画的な学習が不可欠です。
もちろん計画倒れはいけませんが、目標達成のためにゴールを見据えて道筋を立てることが大切なのは、仕事も勉強も同じです。
ぜひ自分に合ったプランを立てて、一日でも早く実行に移してみましょう。
今日はここまでです。ご覧いただきありがとうございました。
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