(初心者向け)預金保険料とは?料率引下げの影響を解説

預金保険料とは

預金保険料とは、銀行などの金融機関が預金保険機構に支払う保険料(責任準備金)のことです。

その役割は、金融機関の破綻時に預金者を保護することで、銀行が倒産しても預金者あたり1,000万円が保障されます。このような措置は、保険金支払方式(ペイオフ)と呼びます。

そのほか、そもそも金融機関を破綻させないようにする支援援助方式もあり、北海道拓殖銀行などに適用されました。

このような有事に対応するための資金をプールしておくための受け皿が、預金保険機構というわけです。

預金保険料率の見直しの動向

各金融機関は、破綻に備えて責任準備金(いわゆる保険料)を預金保険機構に積み立てることが求められますが、この保険料率の見直しが「預金保険料率に関する検討会」にて議論されています。

現在の預金保険料は、責任準備金の目標額5兆円を前提として決定されています。この5兆円の積立額がすでに十分な水準であり、金融機関の経営を圧迫しているのではないかというのが、検討会の意見です。

マイナス金利政策の長期化による金融機関の収益性の低下が、この提言の背景にあったと思われます。

料率変更の影響は?

金融機関としては、責任準備金の積立金額だけ資金が拘束されてしまいますので、できるだけ料率を引き下げて資金運用効率を向上させることへのインセンティブが働きます。

一方で、コロナ禍で経済が悪化し、預金量が増加している背景で、金融庁や日本銀行は保険料率を維持したい考えがあると考えられます。

今後は、金融機関の収益性改善と預金者保護というトレード・オフのなかで議論が展開されていくと思われます。

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